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2012年1月22日日曜日

二重国籍 その2

その1で書いた二重国籍の日本人についてもうちょっと踏み込んで....いろいろと。


二重国籍の日本人には主に二つのケースがあります。ひとつは出生により二重国籍になった場合、もうひとつは仕事や結婚で永住権(グリーンカード)を取得した後に自分の意志でアメリカ国籍を取得して二重国籍になった場合。
出生により二重国籍になった人はともかく、成人してから自分の意志でアメリカ国籍をとっておきながら、なんで日本国籍も持っている必要があるんだっ!!ってしかられそうですね。


別にアメリカ人になった方がいいから日本国籍を捨てたわけではないのです(と言うか捨ててはいませんが...)。海外に住む日本人がどうしてその国の国籍を取得しなくてはいけなくなったか。いろいろな事情があります。まずは下の3つの記事を読んでみて下さい。


1)カナダ在住の日本人がブログに投稿した記事 →ここ
2)海外在住の日本人が重国籍を求める気持ちを投稿 → ここ
3)国際結婚を考える会に投稿された意見 → ここ


とまぁいろいろあるのですが、仕事や結婚で海外に住む場合、最初は永住権で何の問題も感じないのですが、長くなればなるほど、市民権と永住権の違いで不利益を被ることがいろいろでてきます。たとえば、就ける仕事に制限があったり、相続にも制限がついたりします。将来的には受けられる福祉にも制限がつくようになるかもしれません。生活をして行く上で、また自分たちの財産を守るため、市民権(国籍)を取らざるを得ないというケースがほとんどではないのでしょうか。


市民権を取らざるを得ない....、でも日本国籍を捨てるなんでどう考えてもできない....と。海外に長く住んでいる日本人が必ず直面する苦悩です。実は、永住権取得12年目の私も....現在悩み中。
その1でも書きましたが、そのまんま両方とも持ってりゃぁいいことなんですけどね....。良心がチクチクするわけです。それに、両方持っていても、日本は重国籍を認めていないので、日本人なのに、日本に帰るときはアメリカのパスポートでアメリカ人として帰らないといけなくなるわけで、3ヶ月までしか滞在できません。


中南米や日本以外のアジアからアメリカに移民としてやってくる人達はあっさりと市民権を取得する傾向にあります。というか取得します。主な理由は本国の家族を呼び寄せたいからとか、アメリカ人になった方が生活が豊かだからです。
日本人の場合はそれとはちょっと違うんですね。別にアメリカ人にならなくても十分豊かなんです。そして、戦争や紛争や政治的圧力や飢餓に苦しんでいるとか貧困のためとかで自国から逃げる必要も無いですしね。日本は本当にいい国ですよ。


アメリカに来る日本人は生きるためというよりも、より良い教育を受けたいとか、よりよい仕事をしたいとか、どちらかというと自己実現のためにやってくる人がほとんどで、そもそも目的が違う。100年前に移民としてやってきた現在の日系人たちのご先祖さまの時代から大きく変わったのです。


先日、アメリカ人弁護士と話をする機会があって、やっぱり国籍の話が出ましたねぇ。
弁護士:どうしてアメリカ国籍を取得しないのですか?
わたし:日本は重国籍を認めていないのです。
弁護士:じゃあアメリカ国籍でいいじゃないの?
わたし:いぁ〜〜、そう言われてもねぇ〜
だって、日本のパスポートの方が信用度高いじゃん....って言えませんでした(汗)



※関連記事
二重国籍 その1
遺産相続とトラスト(信託)

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6 件のコメント:

  1. 二重国籍情報ありがたいです。今日、国籍、年金に関する講演会にも出席してきました。ほんと悩みますね。

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  2. MEEKさん
    コメントありがとございます。
    相続の際のMarital deductionは市民権を持ってないと適用されないので永住権でもMarital deductionが使えるようにQualified Domestic Trustに入らないといけないらしく現在検討中。ところが、アメリカ在住の永住権保有者の本国で相続が発生した場合もなにか問題があるらしく、それも調べないといけない....。
    私もそういった講演会に行ってみたいなぁ。別の機会にどこかであるんでしょうか。

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    1. さすが! しっかり調べてられるのですね。若い頃は全く気にもとめてませんでしたが、勉強必要だと思っています。

      昨日参加した講演会は、友人からの誘いで知った「のびる会」主催の「年金、国籍選択、老後の日本帰国」というタイトルでした。会のホームページに、弁護士である会長さんが、プロベート制度、遺産、相続税に関する講演会をされた記録がありました。今年も同じ内容で講演会していただけないかな。。。と思って見てました。参加したいですよね。

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  3. はじめまして。 私も米国在住で永住権保持者ですが、おっしゃるように市民じゃないと不利な点もいろいろありますよね。 相続やそれからもしかすると将来のソーシャルセキュリティーだって減額なんてことがありうる可能性もあると...確かに 日本のパスポートはVisaなしでアメリカパスポートよりもどこでも行けると思います。 そういう理由もあって 日本国籍は捨てたくない。 日本政府が2重国籍を認めてくれれば この問題もあっさり解決なんですが....
    ちなみに私の住んでいるところでは日本人向けに 来月永住権と市民権は何が違うか、どんなところが不利なのかというセミナーを開催します。

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  4. MEEKさん
    私も常々、そういった講演会を聴きに行きたいとおもっているのですが、いつも機会を逃しています。のびる会のサイトもあんまりイベント情報が更新されてないようだし.....。
    やっぱりベイスポをしっかり読む(笑)しか情報源はないんでしょうかね。

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  5. まいあさん
    はじめまして。コメントありがとうございます。
    その、来月ある講演会はどこであるんでしょうか.....。
    市民権を持っといた方がアメリカに住むんだったら絶対に有利なのはわかっているんですが、永住権のままでなんとか乗り切る方法はないのか....と無駄な抵抗をしております。

    海外で、テロにあったり誘拐されそうになったり、やばい事件に巻き込まれそうになった時、アメリカ人観光客は一番にパスポートを破棄するっていう噂は本当なんでしょうかね....。全部本当でなくとも、そこまで言われるほど....なんでしょうね。

    ビザ無しで行ける国が一番多いのは菊の御紋のパスポートですね。これは国の信用度の現れですよね。また、大抵、どこの国でも入国審査がスムーズなのも日本のパスポートだとみなさんおっしゃってますね。

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