2012年1月21日土曜日

二重国籍 その1

先日、出生による国籍についての記事を書いたんで、その続編として二重国籍について。
日本とアメリカ間だけなら二重国籍ですが、お父さんがドイツ人でお母さんが日本人で子どもはアメリカ生まれで国籍は3つという多重国籍ってのもあり得ますね。ヨーロッパの人は複数の国籍を持った人が結構います。


さて、他の国のことはよくわかりませんので、直接関わる日本とアメリカの二重国籍についてこれまで見聞したことをば.....。


その前に、国籍の取得方法について。3つあるらしいです。
1)出生による取得:これは『出生による国籍』で書きましたね。
2)結婚や養子縁組による取得(結婚と同時に国籍が自動付与される国がある)
3)帰化による取得
実際、アメリカ人と国際結婚をして、アメリカに住んでいる私たちのような家族の場合、関係してくるのは、1)の子どもの国籍の問題と、3)の日本人配偶者が後に自分の意志でアメリカ国籍を取得する場合ですね。


前の記事にも書きましたが、1949年までの日本の国籍法では、両親のどちらかが日本国籍を有する場合、生まれた子どもは日本国籍を取得できるという父母両系主義でした。それが1950年(昭和25年)の国籍法改正で、父親が日本人の場合のみ生まれた子どもは日本国籍が取得できるという父系血統主義に変わりました。そして1984年に国籍法が改正され、父母両系主義に戻ったわけです。


しかし、ものごとそう上手い具合にはいきませんね。この1984年の改正で、出生による国籍の取得で、二重国籍となった場合、22才までにどちらかの国籍を選択しなければならない国籍選択制度という条項が加えられました。子どもにとってお父さんの国籍と文化もお母さんの国籍と文化も自分自身が引き継いでいる大切なもので、どっちか選べってそんな酷なことを....って思いますね。


これとは別に、仕事や結婚で永住権(グリーンカード)を取得してアメリカに長年住んでいる成人日本人が、後に自分の意志でアメリカ国籍を取得して二重国籍になっている人も実はたくさんいるのです。
永住権取得から5年(米国市民と結婚している場合は3年)以上経過していれば市民権の申請ができます。


日本は重国籍を認めていません。日本の国籍法では、他国の国籍を取得した時点で自動的に日本国籍を喪失することになっています。、実態は、本人が喪失届を提出しない限り国籍は喪失しません。中にはまじめに喪失届けを提出する人もいるようですが、実際にはほとんどの人が喪失届を提出をしないので事実上は両方の国籍を持ったままです。戸籍もそのまんま。


二つの国籍を持っていて問題なのは日本(←クリックすると国籍法について書かれたサンフランシスコ日本国総領事館のサイトが読めます)でのことで、アメリカでは重国籍を容認している(←クリックすると二重国籍について書かれたアメリカ大使館のサイトが読めます)ので、何の問題もないわけです。


出生により二重国籍になった人も、自分の意志でアメリカ国籍を取得した人も、日本側からどちらか選択しろ!!ってことになり、日本国籍を選択した場合でも、「外国の国籍の離脱に努めなければならない」という国籍法の条項はあるものの、”努力”を求めているだけで強制権はないのですね。日本政府と言えども、アメリカ国籍を剥奪することはできません。
だから、日本とアメリカ両方の国籍を持ったまんまの人は実はたくさん存在している訳です。



国籍法の条文を読んでみましょう→ここ
第十一条  日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
第十四条  外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
第十五条  法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第一項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。
第十六条  選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。


第十五条に関わることですが、あるブログによると2008年国会記録によると法務大臣による催告等の罰則を適用した前例が無い』そうです。これからも適用される可能性は無いとは言いきれませんが。




こんなふうに、国籍法と実態が乖離している現状で、国籍選択制度の廃止&重国籍の容認という運動が起こるのも自然の成り行きっていうやつですね。




国際結婚を考える会の二重国籍容認を求めての国籍法請願運動についての記事はこちら
グローバル市民権ネットの重国籍容認を求める運動についての記事はこちら2004年の国会に提出するための署名運動のものですが


日本には重国籍を認めたら、外国人参政権を与えるより危険だ!!と運動している人もいれば、出生や結婚による重国籍を認めて欲しいと運動している国内外の日本人もいるのです。



※関連記事
二重国籍 その2
遺産相続とトラスト(信託)


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1 件のコメント:

  1. 貴重な情報ありがとうございます。オークランドでの帰化宣誓セレモニーの通知がきた瞬間決断が揺るいでパニック状態に陥ってしまいました。マウントタムさんの記事を読んで、同じ決断をした日本人の方が沢山いる事を知りちょっと落ち着きました。国籍を捨てるなんてまだ日本の親にも言えないことなのですが、長期で考えた上ではせざるを得ない決断でした。重国籍が今後容認されることを祈りながら、宣誓してきます。。。美紀

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