トラッキーのドナーレイクへ、またまた行ってきました。
今回は次男のカヤッキングだけでなく、ドナー パス(Donner Pass)周辺のハイキングと史跡巡り。日本語で言うと、ドナー峠ってことになるんでしょうか.....。ここには1869年から1993年まで鉄道が通っていました。そしてこの場所は1846年にドナー隊が遭難した場所でもあるんですね。ということで。まずは、歴史のお話から.....。1863年、カリフォルニア セントラル パシフィック鉄道(Central Pacific Railroad of California)がカリフォルニア州サクラメント市から、ユニオン パシフィック鉄道(Union Pacific Railroad)がネブラスカ州のオマハ市から鉄道工事を開始します。
その工事は困難を極めたそうです。なんたって、カリフォルニア側からはシエラネバダ山脈(標高4,421m)中の降雪量の平均が11mで標高2,100メートル地点の峠越えの工事で、ネブラスカ側からはロッキー山脈越えの工事ということで、鉄道を開通させるのに15のトンネルを掘らなくてはいけませんでした。
この工事には実に12,000人もの労働者がかかわったのですが、セントラル パシフィック鉄道側の労働者の90%が中国人移民だったそうです。ユニオン パシフィック鉄道側の労働者はアイルランドからの移民が大半でしたが、インディアンからの攻撃から労働者を守るために南北戦争の軍人も参加したそうです。っていうか、南北戦争があったのは1861年〜1865年ですから、その真っ最中に鉄道工事をやってた訳です。
そして、1869年5月10日、ユタ州プロモントリー(Promontory Summit, Utah)で二つの鉄道がつながり、全長2,859.66kmのアメリカ合衆国初の大陸横断鉄道が開通します。
これにより西部開拓時代が始まったわけです。
Central Pacific Railroad of Californiaのサイトより |
ちなみに、リーランド・スタンフォードはニューヨークからサクラメントへ移住し、ゴールドラッシュ時に雑貨商で財を成した人です。
開通式でゴールデン スパイクを打っているのが リーランド・スタンフォード |
スタンフォード大学に展示されている ゴールデン スパイク 鉄道会社の役員の名前が刻まれています |
それで、ユタ州プロモントリー サミット(Promontory Summit, Utah)のこの場所は国定史跡(National Historic Site)に指定されており、ゴールデンス パイク ナショナル パークとなっています。今でも毎年5月10日には記念式典が行われるそうです。
説明が随分と長くなってしまいましたが、私たちはドナー パス(Donner Pass)のハイキングをしながら、15あるトンネルのうちの6、7、8番トンネルのシエラ ネバダ グレート サミット トンネル(Great Summit Tunnel of the Sierra Nevada) に行きました。
スコーバレーとバケーションハウス
ドナーレイク
ドナーレイク@夏休み
夏休み恒例のドナーレイク@今年はラフティング
説明が随分と長くなってしまいましたが、私たちはドナー パス(Donner Pass)のハイキングをしながら、15あるトンネルのうちの6、7、8番トンネルのシエラ ネバダ グレート サミット トンネル(Great Summit Tunnel of the Sierra Nevada) に行きました。
で、このドナー サミット トンネルでの工事は500mにも及ぶ花崗岩の層にトンネルを掘らないといけなかった難工事だったそうです。花崗岩でできた固い岩盤はこの大陸横断鉄道工事の大きな障害となり、トンネル工事で使用したニトログリセリンの爆薬によって多くの犠牲者を出しました。それでも一日に数インチしか掘り進むことができなかったそうです。
また、雪が多い場所でもありブリザードも多いので全長64kmにも及ぶ雪崩よけも設置されています。
また、雪が多い場所でもありブリザードも多いので全長64kmにも及ぶ雪崩よけも設置されています。
この難所での工事を不安がる中国人労働者に、リーランド・スタンフォードは言ったそうですよ。中国人は母国ではグレート ウォール(万里の長城)を造り、アメリカ西部ではグレート レール ウエィを造るって。うまいなぁ〜。さすが政治家です。
で、下の写真に写っている次男の後ろにある城壁のようなもの、これチャイナ ウォール(China Wall)とよばれている石積みの壁です。当時の中国人労働者たちの見事な技術と仕事ぶりに感動しました。
この鉄道は1993年まで使われていましたが、現在は廃線になっているので、トンネル内を散策することができます。でも、とにかく長いトンネルなので途中で引き返さないと遭難しそうです(笑)。落書きだらけの壁がちょっと残念。
トンネル内の天井を見ると、染み出した地下水が壁面の煤を洗い流し、表面で凍って、まるで大理石のような、きれいな模様を作ってました。
トンネルの外壁も落書きでいっぱい。
このトンネルに行くときは、観光客用の照明なんぞありませんので、懐中電灯を持って行きましょう。
さて、この後はドナー パスのハイキングに続く。
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